シンガポールの思い出

2010-2014年、星国に滞在していたときの記録

アルメニアに行ってきた ノラドゥス、タテフ、ゴリス

この日は南アルメニアに向かった。残念ながら南下するにつれ天候は悪化したため、楽しみにしていたタテフ修道院は、嵐が吹き荒れる中の見学になった。

この日訪れたのは

  • Noradouz(7-17世紀、ノラドゥス)
  • Old Selim Caravansera(13-14世紀、オールドセリム・キャラバンセライ)
  • Tatev monastery(4-9世紀、タテフ修道院群)
  • Goris(ゴリス町)

の4カ所。()内の年号は建築年。参考サイト:セヴァンとその周辺シュニク地方

まずホテルから車で30分ほど、khachkars(ハチュカル)がたーーーくさんあるノラドゥス(直訳すると「新しい墓地」)を見学。ハチュカルとは、アルメニア教会にはほぼ例外なくある装飾品で、十字架等の装飾を彫った長方形の石碑。ノラドゥスでは墓石として使われているものが多かったが、ただの装飾として教会に置かれていることも頻繁にあった。

ちょうど良い機会なので、今回の旅行で撮影したハチュカル写真コレクションを一挙公開。装飾の細かさから、職人の手先の器用さ・繊細さが感ぜられる。
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この日はずっと灰色の雲が立ちこめていて寒かった。小雨が降りしきるなかセリム峠で車を降り、シルクロード時代に使ったというキャラバンセライ跡地に立寄った。「キャラバンセライ?教科書で読んだシルクロードか!」と感動した、が、かなり暗くてよく分からなかった・・・写真も真っ暗。雨が降ってなくても洞窟のようなものなので、専用の機械がないと撮影は難しいのかも。
Old Selim Caravansera Old Selim Caravansera

ランチを食べ、さらに車を走らせアルメニア南部に入る。今日はタテフという崖の上に立つ教会に行く。崖の上にそびえ立つ修道院の写真を見て「ここは行きたい」と思うひとは多いと思う。下にwikipedia写真を貼っておく。

この日の行程はずっと山だったが、南部に行くにつれさらに標高が上がる。晴れていれば素敵な景色だったんだろうな、ここらへん。
Untitled Untitled

山の中腹から5kmある世界最長ケーブルカーに乗り込み、山頂に登った。数年前に出来たばかりというケーブルカーはピカピカで、どこか場違いな感じがしたが、ケーブルカー上から見る山々はなかなか壮観だった。車だったらあの道を登るんだ…と指差された先にあったのは、絵に描いたようなカーブ満載の山道だった。
Tatev Cable car Tatev Cable car
Tatev Cable car
Untitled Tatev Cable car

山頂に到着、このタテフ修道院は9世紀頃に大きく栄え、大きな学校と図書館を備えたという。いまも広大な敷地と建物は残っており、メインの教会、戦いに向かう前の兵士が祈りを捧げるための小さな簡易教会、大学の宿舎、食堂など、一揃いそろった小さな村のような雰囲気があった。切り立った山というか崖というか…の上なので、要塞的な機能も果たしていたのだろう。
Tatev monastery
Tatev monastery Tatev monastery
Tatev monastery Tatev monastery

見学を終え、ケーブルカー乗り場に戻る。雨風が強くなり、雷が鳴り始め、帰りのケーブルカーはなかなか出発できず、出発しても途中で何度もストップしてしまう。行きは5分程度?で終わった行程に、下りは30分ほど要した。その後も雨風はやまず、近くの町・ゴリスのホテルにたどり着くときには、嵐と呼ぶのがふさわしいような強風だった。常夏に慣れた自分には「まるで冬のよう」なひんやりとした夜になった。ガイドにそれを言ったら「冬は違う、もっとずっと暗くて寒い」と笑われたが。
Tatev monestry

宿の食堂はそんなことを忘れさせてくれるかのような暖かい空間で、夕食には温かいスープと牛肉を米を一緒に煮込んだ料理が出てきた。食堂の片隅にアルメニア地図があったので、それを使ってガイド氏が、90年代初頭にアルメニアアゼルバイジャンがその地を巡って戦争になり、今では実質的にアルメニア人が統治する、しかし国連には承認されていない国家Nagorno Karabakh(ナゴルノ・カラバフ)について解説をしてくれた。

アルメニアン・ダンス全曲アルメニアン・ダンス全曲
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