シンガポールの思い出

2010-2014年、星国に滞在していたときの記録

京都に行ってきた その1

徳島に行ってきたの続き。

温泉宿につきものの豪勢な朝食をいただき、スーツケースを引きずって宿から100mほど先にあるバス停に移動する。神山まで観光に来る人はだいたい車を使うようで、公共バスに乗り込んだのは自分たちと、現地人と見られるおじいさん1人だけだった。途中からお遍路さんらしい服装の中年男性や、現地の高齢者が乗り込んできて、バスの座席はだいたい埋まった。1時間ほどかけて徳島駅に到着。京都行きの高速バス発車まで1時間ほど余裕があったので、駅前のドトールに入って一休み。徳島から京都まではバスで3時間、思ったより近いし、バスで1本なので移動も簡単だった。

京都駅からバスで宿に向かう。二条城方面行きのバスがたいそう混んでいて、スーツケースの置き場所に困るほど。京都では町家を改装した民宿/ホテルに宿泊した。こちらの宿主が、大変に気を遣ってくださる方で、言葉遣いも非常に京都的で、ありがたいのだが私は気疲れしてしまった。そして到着したときから感じていた「なんだか自分、京都になじんでないな」というよそもの感覚を、彼とコミュニケーションしているとことさらに強く感じた。素敵な宿だが、泊まるひとを選ぶ場所だと思う。 Untitled

1日目 この日は移動して宿にチェックインしてからは買物三昧。まず毎日新聞京都ビル近くのアートギャラリーSecond Spiceとその周辺のアートショップ・雑貨屋さんを散策して、ギャラリーで醤油小皿を購入した。それから四条河原町らへんの繁華街で服の買物をした(手持ちの冬服が少ないので、買い足すなければならなかった)。途中、錦市場で漬け物も見た。 夜は、伏見桃山のほうにある鶏料理屋鳥せいで、久しぶりに会う友人と晩ご飯を一緒に食べた。間違えて伏見稲荷で下車してしまったりしつつ、ちょっと遅れて店に着く。昨年結婚しましたと言われて「あれ、それ誰かから聞きましたよ、誰だっけな…?」となったが、今思い返すと本人から聞いたような気がする。しかし彼に会うのは4〜5年?ぶりだし、オンラインで頻繁にやりとりしてたわけでもなく、いったいどこで聞いたというのだか見当がつかない……夢でも見たのかな?

2日目 この日は仁和寺でカメラを落として壊してしまった。新婚旅行のために買ってから4年強、何度も落としたけど大丈夫だったのにとうとう…(涙)。

今日はレンタサイクルを借りて寺巡りすると決めていたので、朝起きて身支度して自転車に乗った。仁和寺方面に向けてペダルを漕ぎつつ、道沿いにあった小さな喫茶店に寄り道してモーニングセットをいただく。500円でサラダ、卵料理、ベーコン、バタートースト、コーヒーが食べられるお手頃価格のお店だった。店主のおばさんと「ここ数日、杉花粉がすごいですね」と話しかけたら花粉話に花が咲いた。日本は時候の挨拶が充実しているが、杉花粉も既に春の風物詩だな。自転車は便利だけど、京都は道が狭くて駐輪する場所がなくて苦労した。お寺には駐輪スペースがあったが、喫茶店や飲食店のそばは場所が全然ないので「危ないな」と思いつつ歩道の隅に置いた。

さらに北上して仁和寺に着いた。入り口そばの駐輪スペースに自転車を置いて、さて寺の敷地に入ろうと思ったところで、鞄から出したデジタルカメラを落としてしまった。落としかけてつかもうとしたところ、うまくキャッチできず逆に地面に叩き付けるかたちになってしまった。拾い上げたところ、なんだか変な感触がして、あ、これは駄目かも、と思った。電源を付けた。レンズカバーが開かない。よく見るとフラッシュライトが中途半端に開きかかって止まっている。それ以上は開けることも閉じることもできない。5分ほど直せないかとあれこれ試したが、解決する見込みなし。2008年末に新婚旅行用に購入したRICOH GX200、さようなら。(これより下に載せる写真は、携帯電話(Nokia Lumia800)で撮影したもの。)

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気を取り直して仁和寺境内に入る。広い。裏手にある山まで含めて「仁和寺」。御所御殿?を一通り歩いて、誰でも入れるエリアにある金堂のほうにも行き、広々とした境内とひんやりとした寺の空気と豊かな緑を堪能した。一通り歩いて満足したので、仁和寺前にある喫茶店で一休みしようと提案した。寺に入る前から気になってたのだ。

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この「御室さのわ」が美しくて素晴らしかった。何が美しいかというと、空間が、食器が、飲み物食べ物が、サーヴィスが。今回旅行していてしみじみ思うのは、日本にはまだ豊かな器文化が残っているということ。残っているというか、器を楽しむ余裕があるというか。ホテルや一流レストランまで行かずとも気軽に入れる街の喫茶店でこんなすてきな漆器を使っていて、陶器の湯のみも和紙のコースターや懐紙の質感も、竹で出来た菓子切りも美しい。それってすごいこと……と、日常的な店ではだいたいがプラスチック製or使い捨て食器のシンガポールで3年も住むと感じ入るようになった。

この日は杉花粉が多すぎてサイクリングするのも一苦労になってきたので、その後「コアな食堂」で昼食をとって、ケーキがおいしそうなカフェと、日本のスタバをはしごして、あとは宿でおとなしく過ごした。薬を飲んでも、効力が切れてくると涙と鼻水が止まらなくなって目がしぱしぱした……春の日本はやはり辛い……。 Lumia_000609

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