シンガポールの思い出

2010-2014年、星国に滞在していたときの記録

京都に行ってきた その2

昨日も入った書店を散策。昨日は書棚を眺めるだけだったが、今日は気になる本を手に取ってチェックしてみた。そうしたら「これは買った方がいいな」と思う本があったので、前々からAmazonで見てチェックしていた英作文の書籍を1冊購入。やはり購入前に実物を手にとって見ることができる場所があるというのは良いものなので、書店には絶滅してほしくない…。小型の超専門店は生き残りそうなと自分は思っているのだが、ぜひ大型書店にも生き残ってほしい。

開館時間を過ぎたころを見計らって、京都国際マンガミュージアムへ移動。Travel Sketchの原画展情報を徳島の友人から聞いて「行きたい!」と直感的に思ったのがきっかけだったが、原画展より先に、その漫画の量に圧倒された。元小学校だったという建物を改築して作ったミュージアム内、壁という壁に本棚が設置され、マンガで満たされている。大人800円でこれが全部読み放題。これは…学生の街にこんなミュージアム作っちゃっていいんですか!? いや、やばいでしょー。という感じで、平日だというのに、そこかしこに大学生らしき若者が座りこんで漫画を読んでいた。

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我々は時折足を止めつつもひとまず建物を歩き回って、2階にある原画展をまず見た。その後、そばの部屋で「紙芝居だぞー!」という声がしたので、素直に引かれて30分ほど紙芝居を観た。生まれて初めてで新鮮だった。それからホールのようになったところで、壁一面にある漫画に圧倒されつつ、何作か手にとって読書。

足が疲れるまで漫画読んで、そろそろ帰ろうかーとなって、1階に移動して、ショップを見る。手ぬぐい等、こまこまと気になるものはあったが買わなくても良いかなーと思っていたら、鬼太郎x東海道53次の絵はがきを発見。これは見逃せない!と思った次の瞬間に妖怪アニメ好きのシンガポール人友人のことを思い出して「彼に送ろう」と即決定。

お昼ご飯はカフェに行こうと決めていたので、京都在住の友人に「そこはいいカフェですよ」とお墨付きをいただいたカフェコチへ。大きな通りから一本入った路地にある、何気ないビルの2階にあった。調べてなければ気付かないんじゃなかろうか。入ってみたら、いかにもおしゃれカフェ!という感じ、床はフローリングで、適宜カーペットが敷いてあって、アンティークっぽいソファがなにげなく配置してあって、間接照明やら雑貨やらまとまりがないようであるようなインテリア。ランチセットとパンを1つ頼んでいただいたが、どちらも美味しかった。

その後、烏丸御池の駅地下・ZEST御池へ。なるほど、上野駅もすごかったけど、こちらもなかなか。ダイソーも入っていて、ちらりと見たところ、シンガポールダイソーよりも高級感あふれる食器が置いてある。あれが100円…比較すると、シンガポールダイソーはまるで10年前みたい。なぜ?

ぼちぼち京大・桂キャンパスへと移動した。田舎だ田舎だと聞いていたが、桂駅前はそれなりににぎわっていた。が、バスに乗って大学キャンパスまで移動して納得。山の上のキャンパスは真新しくてきれいだけど、学校施設以外はなにもない。

ある先生の最終講義を聞く。すごくすごく真面目そうな先生だった。最終講義を終えて、京都市内へ移動するためバス停へ。17時半くらい?で、日が既に傾いていた。 バスを待つ人はまばらにいたが、日が完全に暮れたら寂しくなりそうだった。

バスと電車を乗り継いで、四条河原町へ。まだ時間があるのでとのんびり歩いていたが、いざ約束のカフェを探そうと思い立ったら全然見つからない。30分以上歩き回っても見つからず、現地で会う約束だった友人にFB+電話で助けを求める。電話で「どっちに向かって歩いてますか?下ってますか?」と言われて、どちらが南か北かわからず、改めて自分はこの街に慣れてないのだなーと痛感する。

どうにか友人と落ち合って、カフェに入る。メインの通りから1本入った細い通りにあるお店だった。でも中に入ったらふわっと温かい空気が流れていて、結構にぎわっていて、「ああ、こういう”隠れ家的”な、でも知ってるひとは知ってるカフェって、シンガポールにないよな」と思った。飲み物も食べ物も、別に豪華じゃないけどおいしいし、サービスも過不足なく行き届いてる感じ。日本に住んでるとこれが当たり前になっちゃう・・・と書いて気付いたが、シンガポールに住んでると「当たり前になっちゃう」ことも色々あるはず。ぱっと思い浮かぶだけでも安い交通費・ホーカーめし、色々な国の人がいる環境、年がら年中トロピカルな気候、親や家族と適度な距離が取れること、自分の仕事をちゃんとやっていれば文句を言われない環境、(賃貸住宅には家具がついているのが標準だから)引越しが楽なこと、空港が近いことなど色々ある。こちらの生活に慣れてきて「東京と大差ないよ」と思うこと・人に向かって言うことが増えたし、実感としては嘘はついてないのだけど、具体的な面ではいろいろ異なるのだなー。

 

あとは手抜き。 最終日、のんびり起きて、荷物の片付け。宿を出て、まずバスを拾って地下鉄の駅へ。そして四条烏丸駅の駅地下に入っている進々堂(パン屋)で朝食にする。どのパンを選んでも美味しい…!

阪急に乗って大山崎へ。大阪在住の友人が教えてくれたカフェに行きがてら、アサヒビール大山崎山荘美術館へ。

アサヒビールの創業者の山荘を改造して美術館にしたところだそうで、広大で見事な庭もあった。小高い山のうえにある庭には、梅がぼちぼちと咲いていた。荷物を預けるロッカーもあった。木造の洋館を改造した美術館は、建物の作りも展示品も和洋折衷で、ちょっと節操はないかもしれないけれど、持ち主の趣味の広さをいたるところから感じる事が出来た。窓やバルコニーから眺めることのできる庭や山の下に広がる町並みも美しい。良いところだった。社会貢献活動として、近所の小学生の社会見学にも使われているようで、小さいうちからこんなに豊かな文化に触れられるなんてうらやましい。 Lumia_000652

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美術館として開館するにあたり、安藤忠雄が館長として就任し、またコンクリート造りの新館を建設したそうだ。その新館の半地下にあるギャラリーには、モネの睡蓮が3枚飾られていた。広々としたギャラリーで、照明は絵画に合わせてか柔らかなものだった。また警備員さんが「この絵は、あのあたりに立って観ると良いですよ。絵が浮き出てくる感じがします」等アドバイスをくれたので、言うとおりの場所から観てみると、絵の雰囲気がだいぶ変わってみえて、なるほど「観る」というのも味わい深いものなのだなと感じた。

べつに絵の見方を客に教えたところで、警備員氏の給与が増えることはないのだろうけど、毎日絵を見ていて発見したから、それを客にも共有してくれているのだなー、これもシンガポールではあまりないことだなーと思った。そもそも警備員をするようなひとは英語をしゃべらないひとも多いし。

美術館をひととおりみてからショップを覗いてから、友人に教えてもらったカフェでお昼ご飯。美味しいし、雰囲気よいし、窓の外で(偶然いた)猫が遊んでるし、良いところだった。そして阪急に乗って伊丹空港に行き、飛行機に乗って羽田に移動して、さらにシンガポール行きに乗って帰国。最近どちらに「帰国」しているのか分からなくなってきた。