シンガポールの思い出

2010-2014年、星国に滞在していたときの記録

徳島に行ってきた

「神戸に行ってきた」の続き。 前日に続いて食堂で美味しくパンをいただいてからホテルをチェックアウトして、高速バス乗り場へ。徳島行きチケットを買いバスを待つ。おじさん職員がひとりで交通整理していたのだが、次から次へと来るバスをひとりで華麗にさばいていて、大量にあるバスがいつ来ていつ去るかを全て把握していて、まるで指揮者みたいだった。

徳島行きの高速バスは、5分ほど遅れてきた。指揮者のおじさんが「大変お待たせ致しました」とアナウンスしていたが、これくらいの遅れは遅れのうちにもカウントされないだろ…と思った私は、すっかり日本国外生活に慣れたようだ。バスに乗り込んで、いざ徳島へ。2時間の道中、瀬戸内海を越え、淡路島を乗り越え、鳴門を通過して、徳島市内……あっという間だった。ご無沙汰して忘れていたが、日本旅行は景色の移り変わりを見るだけでも楽しいのだった。

徳島駅に着いての第一印象は「思ったより都会」。なにせ四国だし(すみません)、徳島に引っ越した友人が「何もない」と嘆いていたので、埼玉県の飯能駅周辺レベルを想像していた。ところが駅ビルは充実してるし、駅前にはホテルも高島屋もあった。友人との待ち合わせまで1時間あったので、荷物を持ちながら駅前をぐるりと回ってみたが、まったく退屈しなかった。その後会った友人に「飯能や所沢は埼玉の一都市だし、東京にすぐ出れる。徳島は(徳島県内で都市的なものが)ここしかないんだよ!」と力説されたが。

Tokushima Ramen

現地に住んでいる友人と徳島ラーメンを食べてから、別の友人宅(今晩泊めてもらう)に行くためのバスをチェック。時刻表がえらくわかりにくいので、カウンターに聞く。運が良ければ20分に1度はあるバスだったが、残念ながら50分くらい待たないとないようだ。そんなに待つなら、荷物もあるしタクシー乗っちゃえ!と、駅前に並んでいるタクシーに3人で乗り込んで出発。「困ったらタクシー」という発想はシンガポールに住んでから身に付いたもので、日本でも同じ事をすると財布が大変なことになりそう…(このときは3人で割り勘したから大した額ではなかったが。)

友人宅着。色々話す。子どもに挨拶する。徳島イチゴをうまうま食べる。猫と遊ぶ。色々話す。友人の運転で、四国八十八ヶ所霊場の1番札所:霊山寺に連れて行ってもらう。良い感じにひなびていて、落ち着く。ひなびているけど、ちゃんと手入れされていて、お布施の灯籠もたくさんあって、お土産売り場も充実していて、裕福な感じがした。 Ryozenji Temple (Tokushima) Ryozenji Temple (Tokushima)

寺の帰りに「お土産買うといいんじゃないか」と友人が道の駅に寄ってくれた。ここで売っている農作物やお土産食料品がどれもこれも美味しそうで、しかもどれも数百円で買えるレベルで、30分くらい物欲を制御しながらシンガポールに持って帰れそうなものを物色した。加えて当日用おやつも買った。連れは「おなかがすいた」といって押し寿司を食べていた。一口貰ったが非常に美味しかった。

徳島全体に言えることとして、とにかく豊か。 駅ビル地下の食べ物屋でも美味しそうな寿司弁当が500円で売ってたし、道の駅にはスダチ(全国流通量の95%が徳島産!)も野菜も味噌も魚介類も寿司も、さらには和三盆まであった。農業以外の産業はあまりないのかもしれないが、自然の恵みが豊富で、シンガポールには全くない類の「豊かさ」が溢れていた。しかし地元の人はあまり意識していないような気がした。

ちなみに、京都では和三盆は作っていない。それにも関わらず京都では和三盆のお菓子が色々売られている。それらは徳島や香川から来ているのだという。こういうことを、もっと大きな声で宣伝すればいいのに…

この日の夜は、久しぶりにいただく友人の手料理に舌鼓を打ちつつ(彼女の料理が大好きで、ふたりとも東京にいたときはよくお世話になったもので。天ぷらまで作ってくれて感謝!)、あれこれ話しながら楽しく過ごした。 Fresh vegetable! <Nabe (Steamboat) Tenpura Sleeping cat

翌日は神山温泉へ移動。また友人に車を出してもらった。ありがたい。宿に荷物を置いて、電動自転車を借りた。まずは宿近くにある粟カフェ古代米カレーをいただいた。 Japanese curry with ancient rice このカフェには神山特産品ブランドやアートグッズが置いてあった。神山はヒッピーコミュニティがあったりアーティスト・イン・レジデンスをやったり、山のなかにも関わらず文化的なムーブメントが起こっているらしい。他にはIT企業のサテライトオフィス誘致もしているそうな。

その後、ちょうど梅の花が咲いているというので、自転車でそちら方面に向かって走る。地図を見ると単純なコースであっという間に行けそうな気がしたものの、実際はなにもない山道を長距離走る必要があり、さらに電動アシストがうまく動かない・道が不安になり引き返す・杉花粉がすごくてスカーフをマスク代わりに使っても涙が止まらない等々の小さなトラブルに見舞われ、梅林があるエリアに到着するのは一苦労だった。とはいえ寒すぎず暑すぎず、サイクリングするには良い天候だった(杉花粉がなければもっと良かった)。 Plum blossom Kakashi dolls (Scarecrow)

宿に戻りチェックインして、温泉に入ったり土産物屋を覗いたり、温泉旅館らしい豪華な夕食を食べたりまた温泉に入ったり…。泊まった宿はホテル四季の里。宿泊者用の温泉のみならず、外来客用の温泉もあり。かなり大きく、のんびりくつろげた。インターネットで予約できる神山町内の宿はここくらいだったが、現地に行くと小さい民宿もいくつかあった。インターネットで世界は狭くなったけど、現地に行かないとわからないこと・得られない情報はたくさんある。

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