台湾に行ってきた -タロコ国立公園編 その2(Taroko National Park Part 2)-
〜その1から続く。
車を降りると「昼を食べたらあの観音様を見に行くよ。クリスチャンじゃないよね?」とガイド氏に確認された。
昼食のために入った食堂入口で、タロコ渓谷原住民の食べ物というbamboo riceを売っていたので1つ貰う。日本のどこかの田舎でも竹に入れて炊いたお米を食べた事がある気がする。味はふつうのお米、竹の香りが良いにおい。
メインの昼食は3品+1汁のセットを頼んだところ、たくさん出てきて驚いた。食べ終わってからガイド氏が「あんなにたくさんのセットを頼むなんてびっくり。あんなにたくさん頼む人、初めて見た!」と、こちらも驚き顔で言う。すぐ隣にいたんだから、頼んでる最中に言ってくださいな・・・。山菜スープ、野菜炒め、海老入り卵焼き、豚肉の炒め物。どれも美味しかったけど、この旅行のなかで一番おなかいっぱい食べた食事だった。
脇道話。ガイドのL氏はどことなくコミカルなひとだった。彼は中国語しか話せないので、私とのコミュニケーションはいつも手探り状態だったけど、表情豊かで心和むキャラクターがよく伝わってきた。
一服したら、雨がほぼ止んでいた。山の上にある寺へ。観音様以外にもいくつか仏像があった。タイの仏像よりは日本寄りだけど、やはりちょっと異なる雰囲気だった。シンガポール人の友人が黄金の像を見て「nice coloring!」と言ってて、仏像についての感じ方は日本人と異なるのだなと再認識した。
雨が降ったときにだけ出来る滝を、台湾では「时雨瀑」(日本語読みだと「シーユープー」)と呼ぶという。その滝壺にある石には綺麗な堆積模様が出来ていた。
少し遠くから別の滝壺を眺める。上のほうに、乗用車が小さく見える。
自分の出身地である埼玉県秩父地方によく似ているなー・・・と思いつつ写真をFacebookにアップしたら、山口県出身の友人からも「自分の地元に似ている」という感想コメントを貰った。光加減・色合いや植生が日本の田舎風景に近しいのだろう。北海道や沖縄のひとはどう思うのかな。
植生が似ているといえば、久しぶりにナナカマドを見た。ガイド氏が「実が食べれる」と教えてくれて、シンガポール人の友人は物珍しそうに口に含んでいた。いっぽう自分は「子どもの頃にやったな、懐かしい」という感覚だった。バックグランドが違うと、思い出に残るものもずいぶん違うのだろう。
国立公園観光を終えて花蓮駅へ向かう道中、ガイド氏が「あともう一カ所行きたい場所がある」とハンドルを切った。向かったのは、日本占領下時代の建物を改築して作ったというアートスペース。
古い建築が醸し出す雰囲気も良かったし、高台の上にあったため眺望も良かった。室内は暗くてぶれてしまったけれど、建物の中には現代アート作品が展示してあった。海(太平洋)を眺めながら中国詩を読むという、小洒落たイベントの案内も見かけた。
5時半の電車に乗るためアートスペースを後にするころには、既に日が傾いていた。
駅に着いたら既に暗くなっていた。行きと同じく、台北までは特急電車に乗って2時間半。台北編に続く。
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